学会2

■学会2
 今回は結構真面目に発表を聴いた。感想をざっと。写真映像関連がメイン。
 ドゥルーズと映写の発表は、少々浮いた感のあるフリッカ問題をもう少し押し広げてそれだけで独立させ、メディア間の問題にするととてつもなく面白くなりそうだったし、ほぼ最後しか聞いていない写し絵の発表は、貴重な資料は参考になったが、スライド上映システムの作用圏をもっと広く考えれば、1900年前後のスライドの奇妙な位置が浮かび上がるだろうし――トラヴェローグの上演空間とかもここには関係してくる――、録音再生装置の発表は18世紀とは切断した不気味な機械の現前をきちんと前面化すればまた違った結論がひとつふたつでてくるだろうし、19世紀の雑誌メディア写真は、イメージの真正性の参照関係をさらに複雑にしてしまうこともできるし、引き札発表は引き札の力動性のねじれを引き札以後を見ることでもう少し何か出てきそうであり、ピクトリアリズム写真の発表は生理学性の強まった段階の写真、そして絵画を付け加えればもう一、二章は展開されることになるし、リヒターのぼかし作用は、モチーフの選択にたいして均一ではない作用を及ぼしているのではないか、たとえばド・デューヴの議論を導入してみればまた違った分類も生じてくるかもしれないし、、、というようにそれぞれ素材は面白かったのだけれど、もう一段階話を聴きたい発表が多かった。
 他にも写真メディア関係の発表はいくつかあれど、ひとまずこんなもんで。