巴里3


■巴里写真情報
 写真情報一般と言うわけではないが、警察博物館の情報も聞いていたので訪問する。あいにくアーカイヴを見るまでの余裕はなかったが、ベルティヨンの撮影方式をまとめたコーナーがある。写真はそのコーナー。


 他にも各有名殺人事件を表紙の挿絵にしたプティ・ジュルナル誌の展示、犯行現場写真の展示――やはりどことなくアジェの室内写真を連想させる写真――などもちらほらある。犯行現場写真は掘り返す必要があると痛感した。
 この博物館が面白いのは、いわゆる警察署の入口と博物館の入口が一緒なので、さまざまな事情で神妙な顔をしたひとびととともに入口で待つことになるということ。エレベーターでも銃をもった体格のいい警官たちと乗り合わせることになる。また、博物館は警察の宣伝目的でもあるので、最初の部屋は西部警察的なかっこいい警察の展示が目白おしであった。それはどうでもいいといえばどうでもいい。

 技術博物館にも行く。ここにはスパイカメラ、ダゲレオタイプ、シネオラマ、幻灯機、、、カメラや投影機を多数所蔵している。だが、その割には展示は地味めであり、カタログもいまひとつ。タブロー・アニメやオートマトン各種もそろえているのにこれはもったいないという印象。
 写真はシネオラマが淋しく佇んでいる様子。不憫だ。

 特別展示会場ではベンジャミン・フランクリン展が開催されていた。電気映像論もこの後期に扱っていたので、これも一通り見る。百人おどし装置などはおいておくとして、面白かったのが、紙幣の偽造防止のために、デザインに葉っぱの図柄を取り入れた仕事を紹介していたコーナー。葉と写真と通貨と電気、これで何か書けそうな気もする。