植物、人物
■植物、人物
ザンダーやブロースフェルトについて文献を読む。紀要で書く予定のベンヤミン論の行きがかり上、気になって調べている。これは、資料を積み重ねていつか1,2本書くしかないと考えている。もちろん今回は当時の写真文化の枠組みを最低限おさえ、それとベンヤミンとの距離を測定することにした。
たとえば、ザンダー『時代の顔』、ブロースフェルト『植物の原形』が出版され、それがベンヤミンの議論の枠組みで評価付けられることがしばしばである。だが、よく考えてみれば、ブロースフェルトの植物写真とレンガー=パッチュの植物写真はどう違うのかとか、ザンダーの目録的写真集作成は、実は当時、いくつかの系譜でまとめることのできる当時の社会のなかのひとびとを一覧する数々の写真集のなかでどのような差異をもつのかとか、いくつもの疑問が生じてくる。
いずれにせよ、ベンヤミンがおさえていた写真史の文脈、そしてそのつなぎなおしかたの両方を検討しないと、彼の議論もかえって色あせてしまう。そもそもベンヤミンの議論を写真史の文脈(ワイマール写真文化の対立等)のなかにきっちりとおきすえても面白くない。
■光の言葉
Words of Light: Theses on the Photography of History
- 作者: Eduardo Cadava
- 出版社/メーカー: Princeton University Press
- 発売日: 1998/08/03
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 2人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
ヴァイゲルも精力的に出版物が増えているのでメモがてらあげておく。