シュペングラー、カスナー


長短の会議3つ。合間に卒論読み。

■シュペングラー、カスナー
About Face: German Physiognomic Thought from Lavater to Auschwitz (Kritik (Detroit, Mich.).)
 先日ここにもあげた注文本が届き、早速該当箇所を読む。1920年代の観相学的世界観の出現をめぐり、シュペングラーとカスナーを中心にした章が収められている。写真に関しては最終章でザンダーについて議論があるが、これは従来どおりのザンダー観かもしれない。セクーラが「写真における交通」で指摘するようにザンダーは実に微妙な両義性を保持しているというのがここ数十年の研究の指摘なのではあるが。
 ついでに多木氏の肖像写真も読み返しておく。そういう意味ではこの本も、さらにつっこむ必要があると思う。『肖像写真―時代のまなざし (岩波新書)
 観相学と写真については、その前に挙げた二冊の本が肖像写真と観相学的言説の結びつきを論じている。Gesichter der Weimarer RepublikGesichten der Physiognomikがここら辺の問題については詳しい。
 原稿締め切り時間いっぱいまで関係資料を検証する予定。