夏季読書会


■夏季読書会
 晩夏の夏季読書会が開始。今年は時間が許す限りの参加になったが、今年読むことになった写真論のセレクションがなかなか面白い。

 Street Photography Revisited:Jeff Wall... / Michael Fried
 TIME EXPOSURE AND SNAPSHOT THE PHOTOGRAPH AS PARADOX / Thierry de Duve
 The museum's old/The library's new subject / Douglas Crimp
 The body and the archive / Allan Sekula
 Photography in Film / David Campany

 今日はド・デューヴの7号目まで。
 フリードのウォール論は、本書所収の別論文でも言及されているし、他にもいくつかあるが、ディコルシアやストロイリと並べるところが話のきっかけとしては興味深い。彼が他のところで確認した「没入」と「アンチシアトリカリティ」が「to-be-seeness」と捩れて結びつくという話は、監視的眼差しと演出性stagednessをも含めて、もう少し現代的な議論にできると思う。
 ド・デューヴの論は10年ぶりくらいに読んだが、なぜこれがもっと紹介されないのかは謎。もちろん、言い回しが厄介なところが多いところに原因はある。とはいえ、バルトの写真論を補い、写真の情動的な側面をあぶりだした好論文。個人的には、ヴァナキュラー写真の議論に取り入れることもできるし、ド・デューヴの些かモダニズム的な言い回しをかいくぐってうがつことのできるような論点に満ちている。