講義講読研究会

■講義など
 昨日午前は『テヅカ…』フレームの不確定性の部分を読み――これはもっと展開できる議論だ――、午後はバルトの写真論1を説明して、その後、院プロ企画のプレゼンのプレゼン授業をする。5コマ喋りつめるとさすがに喉がかれる。

■講読など
 講読。
 今回からどんなに長かろうが1,2回で『意味の抗争』の1論文ずつをこなすことになった。今日はサリー・スタインの雑誌写真論。短いがコンパクトで重要な指摘がある論文。1910年代半ばから30年代後半までのアメリカの女性雑誌のレイアウトをめぐり、個々の記事やレイアウト分析ではなく、むしろ雑誌全体を視野に入れ、そのレイアウトの推移、つまり、広告と記事の位置関係や連続性、断続性から見えてくる社会的コンテクストを明示した論。

 この論文の面白さは、雑誌を読むことが、郊外のハイウェイとビルボード、あるいはラスベガス的な郊外への運動とパラレルに語られるところ、そして、広告形態がメディア間で共有していた動きのリズムの対応(たとえばラジオの絶えざるフローのなかでの挿話形式の広告と雑誌のカートゥーン形式の広告など)が指摘されているところである。歩きながら、走りながら、捲りながら見られる広告の運動性、それは、静態的に論じられる広告論とは違う観点を必要とする、そんな内容。
 つぎはグローヴァーのダイク写真論。


■視聴覚文化研究会
久々に研究会のお知らせ。私は当日開催の別研究会で立ち番があるので、いけませんがこぞってご参加を。

第一八回視聴覚文化研究会
日時:2009年11月21日(土)14:00〜
会場:同志社大学 今出川学地 弘風館4階 K49教室
http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html
発表言語:英語

研究発表
"Editing the Media: Analysis of the graph-montage edited by INA Nobuo"
  林田 新(同志社大学大学院)
"Victor Burgin, Allan Sekula, Martha Rosler. Photography between
Theory and Practice"
  オリヴィエ・ミニョン(Olivier Mignon)(ルーヴァン・カトリック大学大学院)

お忙しい時期とは思いますが、お時間に都合がつく方はぜひお誘い合わせのうえご来場ください。<<