文献あれこれ


今回は毎回利用しているポンピドゥの図書室やブックショップがストライキのために完全に利用不可能だったので(佐藤君はルーヴルの行列にすらぶちぎれていたのであった…それにしても到着してから波のように美術館が閉館になるのは、まっとうな抗議だとはわかるが、いい加減にしてほしいものだった、そもそも開催した展覧会での十分な集客を得てからのうえでの抗議のストなんだろうし、、、)、他の本屋を回って発見した本とDVDのいくつかをあげておきます。たぶんDVD以外は図書館に入って貸出可能になります。それは1月か2月のことでしょう。
今現在、開いているかどうかはしらないけれど、ジュ・ド・ポームの美術館が映像に特化していて、ブックショップも含めて案外攻めがいのある拠点になっています。ここはお勧めです。

■書籍DVD ZKM
とはいえ文句をいいつつも、ひとまずざざっと入手文献をあげます。
ZKMでショウの作品は二点ほど新たにみることができた。EVEともうひとつ。
古典的な入門書である下記をひとまず入手。

Jeffrey Shaw--A User's Manual/Jeffrey Shaw--Eine Gebrauchsanweisung: From Expanded Cinema to Virtual Reality/Vom Expanded Cinema Zur Virtuellen Realitat

Jeffrey Shaw--A User's Manual/Jeffrey Shaw--Eine Gebrauchsanweisung: From Expanded Cinema to Virtual Reality/Vom Expanded Cinema Zur Virtuellen Realitat

  • 作者: Jeffrey Shaw,Manuela Abel,Anne-Marie Duguet,Heinrich Klotz,Peter Weibel
  • 出版社/メーカー: Distributed Art Pub Inc
  • 発売日: 1997/01/01
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログを見る
アーカイヴやドキュメンテーションとアートという本もいくつかあったがアーカイヴ論をまとめて下記も購入。
Archivologie. Exterioritaeten des Wissens in Philosophie, Medien und Kuensten

Archivologie. Exterioritaeten des Wissens in Philosophie, Medien und Kuensten

ベルティングもいちおうデュシャン、スギモト、ウォールを並べた本を購入。英語版もある。
Hans Belting. Der Blick hinter Duchamps Tuer. Kunst und Perspektive bei Duchamp. Sugimoto. Jeff Wall

Hans Belting. Der Blick hinter Duchamps Tuer. Kunst und Perspektive bei Duchamp. Sugimoto. Jeff Wall

今回ようやく見れた下記の作品。立体スコープで見ると、さながらマイノリティリポート的ムネモシュネというTV番組を細切れにした無数の細かな複数のフレームに飲み込まれる。一緒に訪問した増田くんの長い体がフレームまみれになっていた。DVDつき。

TVisionarium: A User's Guide

TVisionarium: A User's Guide

これは内容は少々どうかとは思ったが、暴力や恐怖の問題を事例を多数挙げて論じた展覧会カタログ。

The Aesthetics of Terror

The Aesthetics of Terror

■ファロッキ補遺
ファロッキが最近ジュ・ド・ポームで展覧会を開催し評判だったという話を聞きこれも入手。

HF/RG: Harun Farocki/Rodney Graham

HF/RG: Harun Farocki/Rodney Graham

ついでにファロッキをさまざまな論者が論じた本も。
Nebeneinander

Nebeneinander

  • 作者: Matthias Michalka,Helmut Draxler,Elisabeth Buttner,Harun Farocki
  • 出版社/メーカー: Walther Konig
  • 発売日: 2008/01/15
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログを見る

■光と芸術
シヴェルブッシュの闇をひらく光ぐらいしか人工光問題のまっとうな議論がないので、即購入したのが人工光以後の芸術における光を論じた展覧会、そのDVD版。展覧会自体はこのページを参照のこと
lichtkunst aus kunstlicht

これも内容のすべては確認できていないがDVDで入手。展覧会ページはこれ
dislocations

ラカンと犯罪現場。序文はジジェク。フランスではジジェクが今はやっていた。

Lacan at the Scene (Short Circuits)

Lacan at the Scene (Short Circuits)

バーギンの各展覧会カタログもいくつかあったが、これが最も大部でまとまっていた。ブライソンやウォレンが書いている。バーギンの制作活動の落ち着いた紹介も未紹介なので。
Victor Burgin

Victor Burgin

以前も挙げて未入手だったので運動イメージの次のリーダー本も購入。

Art and the Moving Image: A Critical Reader

Art and the Moving Image: A Critical Reader

展覧会における写真展示の古典的な本。「ファクトゥラからファクトグラフィ」というブクローの『意味の抗争』の論が最初に置かれている。参考図版がいくつかある。

Public Photographic Spaces: Exhibitions of Propaganda, from Pressa to The Family of Man, 1928-55

Public Photographic Spaces: Exhibitions of Propaganda, from Pressa to The Family of Man, 1928-55

序文が案外威勢がよかったので購入。…また内容は読むが、中身はそれほど威勢はよくなさそうではある。ウォーホルやパイクを議論に取り入れたTV論。

Feedback: Television against Democracy (The MIT Press)

Feedback: Television against Democracy (The MIT Press)

■メモ分
以下はいつでも入手可なのでメモした分。
ジェフ・ウォールのファイドンでのコンプリート版も出ていた。。。これはメモ。

Jeff Wall: Complete Edition (Phaidon Contemporary Artists Series)

Jeff Wall: Complete Edition (Phaidon Contemporary Artists Series)

  • 作者: Thierry De Duve,Arielle Pelenc,Boris Groys,Jean-Francois Chevrier,Mark Lewis
  • 出版社/メーカー: Phaidon Press
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: ハードカバー
  • クリック: 1回
  • この商品を含むブログを見る

ベルティングも書いていた現在のイコノロジー。これもメモ。

Ikonologie der Gegenwart

Ikonologie der Gegenwart

ズールカンプ社からはドゥルーズと芸術についての論文集、アガンベンについての論文集が出ていた。ここらへん日本と同様だろうが、こうした論集はまだ見ないので。

Deleuze und die Kuenste

Deleuze und die Kuenste

  • 作者: Peter Gente,Peter Weibel,Jean-Jacques Lebel
  • 出版社/メーカー: Suhrkamp Verlag AG
  • 発売日: 2007/03/01
  • メディア: ペーパーバック
  • クリック: 2回
  • この商品を含むブログを見る
Bios und Zoë: Die menschliche Natur im Zeitalter ihrer technischen Reproduzierbarkeit

Bios und Zoë: Die menschliche Natur im Zeitalter ihrer technischen Reproduzierbarkeit

■Études photographiques
雑誌のページはこれ。写真センターにも以前数冊あったが、旧国立図書館の本屋にもバックナンバーがあった。23号からは英訳が併記されているので大学にも入れたい。
Poivert,Gunthertら写真史研究の比較的若い世代が次々と論考を発表している雑誌。ポワヴェール氏はうちの学生たちもついている先生。ギュンテール氏はガニング「視覚の閾」でほぼ全体にわたって参照されていたアマチュア写真の研究者。
Jean-François Chevrierもあちこちで見かける名前なのでメモしておこう。

これに類した写真「史」研究者ドイツ人版がモルダリング。今回あちこちでシュルレアリスム写真についての本の翻訳が並んでいた。ドイツ語の本自体はこれ。『写真のモデルネ 論文とエッセイ』というタイトル。

Die Moderne der Fotografie: Aufsaetze und Essays

Die Moderne der Fotografie: Aufsaetze und Essays

フランス語はたぶんこれ

ドイツ写真関係で言えば、どこの本屋にも山積みであったのがこれ。輸出商品になっているわけだ。

The Dusseldorf School of Photography

The Dusseldorf School of Photography

  • 作者: Stefan Gronert,Lothar Schirmer
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson Ltd
  • 発売日: 2008/06/01
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 2回
  • この商品を含むブログを見る

というわけでシンポの空き時間に回れた本屋での情報。いずれもアマゾンに載ってはいるが、いくらアマゾンのおすすめがあろうが、本屋でふと見つけて数珠つなぎに拾える情報はたぶんアマゾンでは見つけられない情報の連なりだと思う。これは実感。

肝心のシンポについては後でまとめを書きます。