東京出張


■シンポ
 3日はバッチェン・シンポ。結論からいえば、不完全燃焼だった。
 とはいえ、基本にあったのは、第一にバッチェンをきちんと導入すること、間違ってもコレクターにすぎないひととしてしまうのではなく、理論と実践双方が行き来しつつこういう展覧会も実現に至らしめてしまうひとだということを紹介すること。第二に、シンポのタイトルがヴァナキュラー写真とは何かなのだから、それをしつこく問うてみること。第三に、回顧だけではなく現在ヴァナキュラー写真はどのようなアクチュアリティをもっているのかを問うこと。そしてできれば、話を聞いていてもまだちょっと間隙のあるスナップ写真についての論、いま立ち上がりつつある話を聞くこと、これらが課題だった。最後の質問はもはや時間切れだった。展覧会自体の概念については、やはりもう少し呼び水を向けるテクニックが必要なことは痛感。また複数性とか多義性というのは、あまりにも曖昧な着地点だということは確か。
 という話をまたバッチェン自身に向けてみることにした。

 展覧会は、伊豆だからこそ実現した異世界になっている。小原くん、甲斐くんたちの尽力、バッチェンの協力の賜物。たぶん本邦初お目見えの類も多い。手にとって見るまではできませんが、各地の独特な写真の強烈な例を見ることができます。


■写美、PG
 で、翌日は写美に行き、森村展とシーフ展をざっと見て、写真集を買い、PGで次号の雑誌の話などしつつお暇し、銀座で会議に出席。疲れ果てる。
 マイク・ケリーのエクトプラズム写真が表紙になったカタログ、高松次郎の『写真の写真』他を購入。森村展は3階のテラスから見る三島の映像がうまい場所設定だった。シーフも未公開作品がかなりの数展示されていた。

■お知らせ
京芸ギャラリーが2日にオープンしたそうです。加須屋さんから情報をいただきました。