諸事情で半端なく忙しいので、各方面の方々にはすみません。たぶん書き足していくはずのウォルフ(ウルフ?)のゲーム論はしばし中断。

■ウメズ論
 ウメズ研究をいくつか読んでいる。ウメズ特集号のほとんどは主題分析が占めているが、そうではないものもちらほらある。金沢の高橋氏のウメズコマ割り分析や北大の川崎氏の『神の左手悪魔の右手』のフレーム分析はなかでも良質の分析。ウメズがホラーの哲学というべき反省を集約したのがこの作品だという指摘にも納得。すがやみつる氏のウメズマンガの恐怖技法も良い素材になる。課題として考えていること。ひとつひとつのフレームに制限された、継起ではなく反復的な、手塚や石ノ森の省略的な滑らかな展開とは異なる、リズムや時間についてもう少し素材を拾わねばならないし、ウメズの見開き画面のフレーム問題をもう少し考えねばならないだろう。ここに彼のホラーの核はありそうなので。海外のホラー漫画についても情報をあれこれもらってみる。東南アジアのホラー漫画は結構数が多いと聞いた。
 この間読んだのは『洗礼』。
洗礼 1 (ビッグコミックススペシャル)
 医者の存在といい、よみがえる母親といい、プロットそのものが、もうどのレベルにむけてなのか分からないそもそもの設定。それは『神の左手…』も同様。
 さらに『おろち』も読み、ウメズの4コマ教室なる本も届き次第読む。
おろち 1 (ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション! 4)