open talk
◆オープンなトーク
一昨日はメディア芸術のオープントーク。奇怪なお役所用語であるこの語はもはや仕方ないとして、その内実をこれを機会にオープンなものとしていこうというトークだった。
藤幡さんのピンポン進行の話も吉見さんのメディアの重なりの話もまっとうな話なのだが、ポストメディウム的状況の厄介さはあまり突っ込まれなかった。そこがもう少し聴きたいところ。
もちろんそのうえでメディアの型の組み直しの力動やズレが芸術なのだという主張は面白い。ただし、芸術という語の怪しさだけでは芸術市場や芸術制度の力学を掘り崩すことはできないかもしれない。そしてもうひとつ。受容や使用の構造よりも制作や創造の側面が今回強調されていた点も気になる。
とはいえ話芸に長けたプロ4人のトークは突っ込みどころ満載で盛り上がった会だった。
◆消尽の後
- 作者: イヴ=アラン・ボワ,ロザリンド・E・クラウス,Yve-Alain Bois,Rosalind E. Krauss,加治屋健司,近藤學,高桑和巳
- 出版社/メーカー: 月曜社
- 発売日: 2011/01/01
- メディア: 単行本
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◆ゼミ
今日は洞窟壁画の発表。暗闇のなかの凹凸ある壁面をなぞるプロセスが諸言説に及ぼす衝撃をもう少し掘り進めてほしいかもしれない発表だった。
Mimesis and Alterity: A Particular History of the Senses
- 作者: Michael Taussig
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 1993/03/11
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また或る種の触覚的なものの偶発性については、アン・ドーンのこれは必読だろう。部分訳のみある。
The Emergence of Cinematic Time: Modernity, Contingency, the Archive
- 作者: Mary Ann Doane
- 出版社/メーカー: Harvard University Press
- 発売日: 2002/12/27
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