アキラと羊

■ラマール文献
ラマールのアキラ論は翻訳があった。気づくのが遅くて積み残し。
新現実 v.4
ラマールの本はどうやら名古屋大学出版会から「近」刊なのだそうで、他もらしている議論をゼミで読むことにした。同時にMechademiaもざっとそろえて学生と読むことにした。
Mechademia 1: Emerging Worlds of Anime And Manga (Mechamedia)

■羊論
文献をサクサク集めて読んでいる。映画公開時の諸反応と80−90年代の政治的文脈と社会運動とホラーの関連も含めてあれこれ論がある。Clover,Halberstamはすでに挙げたが、再掲。後者の一章分が『羊たちの沈黙』に充てられている。表面/深層という二項対立ではなく表層=皮膚の縫合や拡散による同一性の問題が議論されている(個人的にはビルにあまりにも可能性を読みすぎの印象をもった)。フィリップスのものも第7章。当時の政治的社会的流れが簡潔におさえられている。Badleyのものは第6章。これは小説版で描かれた母の問題構成に関して詳しいので今回は省く。Staigerのものは第9章。フェミニズム側からの評価とゲイ・アクティヴィスト側からの批判について詳しい。
Men, Women, and Chainsaws: Gender in the Modern Horror FilmSkin Shows: Gothic Horror and the Technology of MonstersFilm, Horror, and the Body Fantastic (Contributions to the Study of Popular Culture)Projected FearsPerverse Spectators: The Practices of Film Reception
また、入門的ではあるが、エルセッサー/バックランドの次の本の9章がまるまるこの作品に充てられている。
Studying Contemporary American Films: A Guide to Movie Analysis
日本語では塚田氏と大橋氏の議論があり参考になる。
シネマとジェンダー アメリカ映画の性と戦争 (ビジュアル文化シリーズ)
後者は岩波『文学』2002年11−12月号に所収。
悪魔化されたアジア的表象、そしてこの作品に入り込んでいる宗教的な諸表象の織り合わせの読みは面白い。